貝殻スケッチ

長年描き貯めた植物やリス、小鳥などのスケッチに混ざって、一冊だけ、貝殻のスケッチ集があります。

私は、海の近くで育ちながら、金槌、海に入ったことはほとんどなく、砂浜で、カニの穴を探し、貝殻拾いをしていました。

『貝殻拾い』、これは、我が家の先祖代々の趣味のようです。

祖母が,昭和4年に,横浜本牧の海岸で集めたもの。この貝殻たちは、9回と聞いている母の生家の引っ越しに付き合い、戦争を越えて、今もここにあります。

私にとって, 貝殻拾いは習性のようで、砂浜を歩くときは、ついつい足元ばかり見てしまいます。娘と私は、拾ってきた貝を大事に取っておくので、家じゅうのあちこちから、貝殻ボックスのようなものが出てきます。

スケッチ集は、10年ほど前に、夫が海岸散歩を日課にしていたころ、毎日のように持ち帰っていた貝殻を描いたものです。
不思議なことに、それまで、あまり貝殻など落ちていなかったその海岸に、6か月間だけ、たくさんの貝が打ち上げられ、65種類ほど集まりました。
夫が標本箱を作り、私が、来る日も来る日も貝の名前を調べ、何とかまとめてあります。
残ったスペースに、アメリカ東部のPitmanに暮らしていたころ、旅行先で拾ったものや、娘が、インドの海岸で見つけたものなども並べ、
不思議な世界が出来上がっています。

大げさに言えば、家族の歴史が詰まっているような…もちろん祖母の貝殻も、美しい小箱に入ったまま、標本箱の中にあります。

それぞれに、違う生き方、考え方を持ちながら、たった一つでも、楽しく話し合えるテーマがあるということは、家族として、
幸せなことだと、貝殻に教えてもらったような気がします。

そして、もう一つ。最近になって山から来た漂着物、に気が付きました。クルミの殻が、時々落ちているのです。
よく見ると、二つに割れた殻の縁には、山で拾うリスの食痕と同じ傷があります。海に流れ込む川の上流に、ニホンリスが
住んでいるに違いない、と嬉しくなります。

古い貝殻と標本箱の写真です。

本牧の貝hyouhonnbakogaikann

標本箱
 
 
 
 
 
 
 
 
 集めた貝殻を眺めていて、ふと、自分が、海のことをどれだけ知っているだろうか、と考えました。
そして読んでみたのが、『海辺』(レイチェル・カーソン著)です。生命の生じたところ、として改めて海への畏敬の念を抱かせます。
そして、もう1冊は、小さな絵本『SEA GIFT』(ジョージ・シャノン著)。
生命のふるさと、という思いが溢れる穏やかな物語です。マリー・アザリアンの版画も素敵です。
「海と言えば、この本でしょう」と、色々な方に紹介して頂いたら、驚くほどたくさんありそうです。

 

ポストカードのスケッチは、標本箱の中にある貝殻や海藻などです。

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