9月の林縁

ノハラアザミ、チョウセンゴミシ、ノイバラ

Cirsium oligophyllum, 
Schisandra chinensis, Rosa multiflora

この時期、散歩していると、輝く様な赤い色が目に入ります。
近寄るとチョウセンゴミシの実。
色々な木の実草の実が色づき始め、林縁を彩る季節になりました。
最近、植物は、かなりはっきりした色を持っている、と思うようになりました。
観念的に淡い中間色を使って描いていたかもしれない、見たままの色で描くとどうなるだろう、
という実験的な1枚になりました。

H.D.Thoreauの『野生の果実』という著書にはペン画のイラストが入っています。
それは精密でありながら植物の手触りのようなものが感じられ、素晴らしいな、と、
時々ページを開けて眺めています。

アオナシ

アオナシ、ヤマグリなど

Pyrus hondoensis

農道の縁に大量に落ちていた木の実。拾ってみたら梨の匂い。名前はアオナシ。
ヤマナシの仲間です。恐る恐る食べてみると野生のものとしては十分食べられる甘さ。
ヤマグリは9月半ばを過ぎると落ちているのを見かけます。
アブラチャンのまだ青い実と、どんぐり。
このドングリは袴の形が珍しく名前がわかりません。
ドングリは混雑しやすいと聞いています。
などといいながら、珍しいものに出会うと名前がわかるまで
気になってしまう困った習性と自覚しています。

アブラチャン

アブラチャンの実

Parabenzoin praecox

なんて不思議な名前なのでしょう!いつごろ、誰が名付けたのか…
漢字では油瀝青。とても植物とは思えません。
名前は奇妙でも役に立つようです。実や枝から油がとれる。
そして、山間の雪の深いところでは、この枝で、輪かんじきを
作っていたそうです。昔の人の知恵に驚かされます。
同じ季節を何度も体験しながら、まだまだ初めての植物、動物に出会います。
自然はほんとに奥深いですね。

10月のオヤマリンドウ

オヤマリンドウ

Gentiana makinoi

10月、標高1300mほどの高原はもう晩秋の色でした。
あとひと月で雪景色かもしれません。

ヤマオダマキとウツボグサ


ヤマオダマキとウツボグサ

Aquilegia buergeriana / Prunella vulgaris ssp.asiatica

家の近くに、沢山の種類の山野草を育てている方があり、お庭を見せていただきました。
オダマキ(苧環)は、昔、糸を巻いたもの、ウツボ(靭)は、矢を入れる道具のことです。
ウツボグサは、カコソウ(夏枯草)ともいい、花が枯れたものを漢方薬の材料にしたそうです。
山野草を調べていると、薬用につかわれていたものが多く、東洋のハーブ、というところでしょうか。
古来、人間は、同時進行的に地球上のあちこちで、生きるための知恵を磨いてきたのでしょう。

チゴユリ


チゴユリ

Disporum smilacinum

庭の片隅、落ち葉の積もった半日陰の場所に群生していました。
草丈は20㎝前後で、一茎に1~2個の花をつけています。
隣家の方が、大きな木を何本か伐採され、もう1年半くらい経ちます。
そのため、庭の日照時間が、かなり長くなり、植生が変わってきたようです。

クリンソウとサクラソウ


クリンソウとサクラソウ

Primura japonica / Primura sieboldii

北軽井沢の野菜直売所で見つけました。
5月末、このあたりはまだ地場の野菜はレタスくらいで、
代わりに、でしょうか、山野草の鉢植えが数種類並んでいました。
種から育てたのでしょう、まだ小さい株なので、ためしに庭に植えてみました。
クリンソウは、大型で、草丈40㎝以上あります。
輪生した花が、一段咲き終わると、次の段が咲き、と、3段になっていました。
サクラソウもこの庭で少しでも増やすことができるといいのですが。
山の花が少なくなったのが寂しくて、昨秋、種を集めて数種類プランターに撒いてみました。
この春、小さな芽がたくさん出てきましたが、山に戻すのには大分時間がかかるのかもしれません。
初めての試みですが、『何とかしたい』と思うほど、山野草が姿を消しているのは
事実です。

ユキザサ


ユキザサ

Smilacina japonica

5月の終わり、散歩途中に見つけました。
花は、虫だけでなく、私の足も止めさせます。
図鑑で見ると、ユキザサよりも、ハルナユキザサに似ているように思います。
道端で描いてから、写真も撮ってくるのですが、細かいところを見落として
いることも多々あります。
もっとも、根の違いを説明されても、抜くことはないのでわかりませんが。

ミヤマガマズミとナツハゼ

 

ミヤマガマズミとナツハゼ

Viburnum wrightii /
Vaccinium oldhami Miq.

先に描いたミヤマガマズミの一週間後です。
葉の色はさらに濃くなってから散っていきます。
紅葉(黄葉)は、移り変わる過程が、彩り豊かで楽しみです。
ナツハゼの実は、実際にはもう少し黒く、食用になるそうです。
見過ごしていた植物に、花や実の時期に行き合わせて、
名前を知ることがあります。
ナツハゼはその一つです。

ミヤマガマズミ

 

ミヤマガマズミの実4

Viburunum wrightii

 

ガマズミよりも、少し高い山に自生しています。
これは庭の木なのですが、15年くらい前でしょうか、
庭の彩に、と植木屋さんに頼んだヤマツツジの株に付いてきまた。
思いがけない拾い物で、毎年、この赤い実を見るのが楽しみです。